ポンコツ
僕はポンコツである。
昔からなんとなくそう思っていたけれど、それが確信に変わったのは高校生の頃だった。
中学までは優等生だった僕は、高校入学と同時に堕落した。
成績が悪くなった理由は、おそらく宿題嫌いによるものだろう。
授業中に身に付けたものと、気まぐれでしかやらない宿題で凡人が戦えるのは中学までというわけだ。
お察しの通り、夏休みの宿題は終盤に慌て取り掛かる。身に付くこともなく、出来たものの質も低いとしかいいようがなかった。
そんなポンコツ学生がどうなるかというと。
そう、ポンコツ社会人だ。
(働いてるだけいいじゃないか、なんて意識の低さ極まりない発言は控えておこう)
相も変わらず、働いていて自分の無能っぷりに嫌気が差す。
そんな日々を過ごしていたところ、ふと自分の将来像について考える機会があった。
そこで僕はいつになく、前向きな発想をするのである。
ポンコツでいいから、憎めない人になろう。
助けてあげたくなる人になろう。
ポンコツなのはもう仕方がないんだよ。
そう思うことで、随分と体が軽くなったように思う。
もちろん、全く何もしないわけではない。ミスを起こす不注意さは認め、出来る範囲での防止や対策は行う。けれどもきっとまたミスは起こる。
人間だもの。
しかもポンコツの。
だから、普段から周囲の人とのコミュニケーションを欠かさないようにしようと思った。
今まで以上に人に親切にしようとも思った。
困った時に手を差し伸べて貰えるように。
ミスした僕を見ても、憎めないやつだと思ってもらえるように。